No.10
エゾノギシギシ
○…本紙の余録子で歌人の時田則雄さん(71)が、自身20冊目の著書となる歌集「エゾノギシギシ」を昨年11月に出版した。このユーモラスで余韻に残る名の雑草をタイトルに使ったのは、さすがである。「世界の5大雑草のひとつ。いくら抜いても生えてくる。十勝の大地と四つに組んでいるオレは、その生命力に親近感を抱いている」と時田さん=写真。
○…植物図鑑によると、北海道で初めて見つかったので“エゾ”を冠に、“ギシギシ”は茎をすり合わせるとぎしぎし鳴るから。
○…ボクが小学生のころ(昭和20年代半ば)は、食料難の時代。学校へ行く途中、ひもじさから路傍にある「スカンポの葉」(タデ科ギシギシ属)をかじりながら歩いた。“スッカい味”が今でも懐かしい。時田さんも「エゾノギシギシ」をあく抜きすると食べられるそうなので、いっそのこと食べ尽くしてしまったら…。
「なあ、エゾノギシギシおまへは雑草の王者だ とことん付き合つてやる(歌集から)」 (会長主筆・林光繁)