No.36
由良真一、久子さん夫妻
○…年間約21万組の夫婦が離婚する日本。都道府県別で見ると、北海道は沖縄、宮崎に次いで3位。1979年、サンフランシスコのコミュニティー・カレッジで出会って40年。どんな時も一緒に行動を共にしているのは、池田町在住の画家由良真一さん(63)、久子さん夫妻=写真。離婚とは無縁の彼らのむつまじい様子は“異体同心”に思える。
○…由良さんの絵は、私のコレクションの一つ。風景画は独自の動きと穏やかさがコラボ。「1/f(エフ分のイチ)のゆらぎ」(生体は周波数fに反比例するゆらぎをしている。快適さ、癒やしをもたらす)があると、推測している。私の会長室に掲げる「夜霧のシカゴ」(20号)の湧き出す霧と街のライトの描写はまさにそれ。
○…「由良の目はカメラだ」と、美大の同級生が驚いた正確なデッサンの基礎能力が、動的な対象を生き生きと絵の中に宿している。見る者の目を捉えて離さず、最近は風格さえまとい始めた。常に傍らに寄り添う米国の美術大学卒の久子さんの評価やアドバイスが、絵のレベルを高みに持ち上げている。(会長主筆・林光繁)