No.25
たまごボーロが取り持つ縁…
◯…「袖振り合うも多生の縁」とはよく言ったもので、郷土料理研究家の村田ナホさんから手作りの「たまごボーロ」を、とかち文化まつり開会式(17日・とかちプラザ)で手渡された。興味を持った私は、「食の寺子屋」を訪ねた。
◯…食育から花が咲いて祖先の話となり、「私の父・故塩野谷茂松(獣医)と長兄・辰造は清水町の十勝千年の森を含む一帯で牧場を経営していた」と言う。なんと、「森」のフロンティアだったのだ。国から3400ヘクタールの払い下げを受け、1899(明治32)年からホルスタインなど120頭を飼育し、バターなどの乳製品を製造した。
◯…辰造の弟・平蔵は札幌農学校(現北大)からウィスコンシン州立大マディソン校に留学(新得共働学舎代表・宮嶋望氏も同大卒)。北海道及び十勝酪農の礎を築いた。十勝は慶応義塾大に通った依田勉三が開拓したが、同大創設者・福沢諭吉の教え「農たらば大農となれ」のように発展し続けている。「縁は異なもの味なもの」。たまごボーロが、千年の森の先住者に導いてくれたのである。(会長主筆・林光繁)