No.07
亡き父の意外な横顔
○…25年前に83歳で死去した父林克己(十勝毎日新聞社2代目社長)のことで、どうしても“ふに落ちない”ことが一つあった。それは1941(昭和16)年から48(同23)年までの間、帯広市立商工業学校(帯広柏葉高校の分身)で“簿記”を教えていたということだ。
○…父の口癖は「宵越しの銭を持たない」「子孫に美田を買わず」。お酒が強かったので夜のマチを闊歩(かっぽ)していた。拓殖大学商学部卒で、簿記は教えられたとは思う。教え子には、故原憲一氏(ハラデンキ)、故徳井孝則氏(徳井建設工業)、石原正光氏(東北海道ヤナセ)らがいる。
○…6月30日の夕刻、その石原さん(93)が突然来社した=写真。早速、どんな先生だったか聞いてみると、「分かりやすく教えてくれた」のだそう。しかも、「偉ぶらず、親身になって生徒に寄り添う兄貴分のような存在だった」-。“帯広のフーテンの寅さん”と慕われた父の面目躍如。(会長主筆・林光繁)