No.16
セイタカアワダチソウ
○…「ざわわざわわざわわ」-。森山良子の「さとうきび畑」の冒頭に出てくる歌詞。沖縄の反戦歌として有名だが、「セイタカアワダチソウ」を見ると、ついこの歌を思い出してしまう。
○…「セイタカアワダチソウ」は1964年の東京五輪ごろに北米から入ってきた帰化植物。キク科の多年草で、茶花として使われているが、花粉症の原因として嫌われ“強害雑草”の1つとされる。十勝にも路傍に群落をなし、はびこっている。その先入観のせいで、私の「大きらい」な花の1つだった=写真。
○…ところが、最近、群落が縮小してきている。理由は毒を出して他の植物を駆逐する(アレロパシーという)が、何と自分も土にたまった毒で滅びるという。そのせいか、在来種のススキが勢いを盛り返している。花粉症の原因も実は似た形状の「ブタクサ」で、ぬれぎぬを着せられて「ざわわざわわ-」と悲しみに泣いているのは、「セイタカアワダチソウ」の魂なのかもしれない。
(会長主筆・林光繁)