No.14
帯広柏葉の甲子園出場 金足農業の躍進にみる
◯…公立農業高校・金足農(秋田)が甲子園で旋風を巻き起こしている。準々決勝の近江(滋賀)戦でのサヨナラ2ランスクイズは劇的で、のけぞり校歌斉唱とともに国民の人気を集めている。
◯…私の手元に1枚の写真がある。1949(昭和24)年8月、帯広高等学校(現帯広柏葉)が甲子園に出場した折、「必勝」を大書した熊皮を中央で振っていたのが父の故林克己だった=写真。この皮は自宅にあった敷物。「事前にこのことを公表すると止められる可能性があるので、巻いて入場して突然振れば分からない」と、父が語っていたのを思い出した。大観衆に大受けだった。
◯…ただ、柏葉の出場はこの1回きり。捕手だった故黒澤洋一氏は帯広三条の監督として59(昭和34)年に甲子園出場を果たし、故長沼輝夫氏は長年にわたって柏葉の監督を務めた。公立校が頭脳プレーとチームワークでマジックのように飛躍できるのが、甲子園の舞台のようだ。(会長主筆・林光繁)