耕土興論「井上都(元『こまつ座』代表) 夏の終わり」
劇団にいた頃、お客様に宛ててお誘いの手紙を書くのが私の仕事のひとつだった。とても大切な手紙だ。芝居を作っているのだから観ていただけなかったらどうしようもない。毎年、8月には『父と暮せば』を再演したし、父・井上ひさしの戯曲には、とにかく昭和の初期から、昭和20年8月15日を挟んだ後の数年間を描いた..
劇団にいた頃、お客様に宛ててお誘いの手紙を書くのが私の仕事のひとつだった。とても大切な手紙だ。芝居を作っているのだから観ていただけなかったらどうしようもない。毎年、8月には『父と暮せば』を再演したし、父・井上ひさしの戯曲には、とにかく昭和の初期から、昭和20年8月15日を挟んだ後の数年間を描いた..