耕土興論「和多田進(ジャーナリスト) 東京日記(567)林昌弘さんの死を悼む」
ある作家が逝ったとき、私が痛切に思ったことのひとつは、“死は生者のものであり死者のものではない”ということであった。死者が生前に何を語ったか、どんな思いの持ち主であったかなんてことは問題じゃないのである。死者は生者の思うように弔われ、生者の思うような人物だったことにさせられるのだ。生者が死者の近親..
ある作家が逝ったとき、私が痛切に思ったことのひとつは、“死は生者のものであり死者のものではない”ということであった。死者が生前に何を語ったか、どんな思いの持ち主であったかなんてことは問題じゃないのである。死者は生者の思うように弔われ、生者の思うような人物だったことにさせられるのだ。生者が死者の近親..