月額制でバイオガスプラント NTT東とバイオマスリサーチが新会社
NTT東日本(東京)と、バイオガスプラントの導入支援を行うバイオマスリサーチ(帯広市、菊池貞雄社長)は29日にオンラインで記者会見を行い、新会社「ビオストック」(帯広市)を7月1日付で設立すると発表した。家畜ふん尿を利用して発電するバイオガスプラントを、農家が月額制で利用できる事業を展開する。
農家戸数の減少に伴い1戸当たりの飼養頭数が拡大、ふん尿処理は課題になっている。ふん尿処理の自動化と悪臭の軽減対策としてバイオガスプラントは有効だが、数億から数十億円の建設費が必要とされる。
ビオストックは20年の契約を基本に、導入コストが不要な月額利用型のモデルでバイオガスプラントを提供。具体的な利用料は未定だが、導入農家は建設費を支払う必要がない。
NTT東日本のIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)技術を活用し、複数のプラントを遠隔・無人で制御できる仕組みも構築。手作業や委託での処理に比べ、2~5割のコスト削減を見込む。
バイオガスは農家からビオストックが買い取り、発電事業者などに販売。来年度中に、プラント5基を建設する計画を立てている。両社は昨年12月、バイオガスプラントの導入によるふん尿処理の課題解決を目指し、業務提携を結んでいた。
ビオストックの社長にはNTT東日本ビジネス開発本部課長の熊谷智孝氏、副社長にはバイオマスリサーチの菊池社長が就任する。熊谷氏は「『手間がかからない』『遠隔で人手を介さない』新しい畜産・酪農の姿を作り出したい」と抱負を述べた。
社員は約10人で、本社はバイオマスリサーチがある帯広市東2南4に置く。札幌、東京、福岡に拠点を配置する。資本金は1億円、出資比率は非公表。NTT東日本の連結子会社となる。(中島佑斗)