「小麦需要拡大目指す」 不安定な国際相場懸念 ホクレンの篠原会長
【札幌】JAグループ北海道の定例記者会見が22日、札幌市内の北農ビルで開かれた。緊迫化が続くウクライナ情勢の影響で、生産資材の値上がりが進み、小麦価格の高騰に伴う需要減退の懸念が示された。
価格が上昇傾向の生産資材や軽油などは、ウクライナ情勢を受けて価格の上昇傾向に拍車がかかった格好。JA道中央会の小野寺俊幸会長は「生産資材価格の上昇は農業者所得に直結する。不満の声を国に届けたい」と述べた。
小麦については、ウクライナからの直接輸入はほとんどないが、不安定な国際相場を受けた間接的な影響を心配。輸入小麦の価格に国内産小麦も連動する仕組みのため、ホクレンの篠原末治会長(JA士幌町)は「2023年産小麦に向けては価格上昇により需要の減退が懸念される。大手や道内の製粉メーカーなどと連携を強化し、需要拡大を目指す」と述べた。
生乳の生産過剰によって処理不可能乳が発生する恐れについて、篠原会長は「本日時点で年度末の完全処理のめどは立っていない」と語り、需要喚起や乳業工場の対応、生産者の生乳出荷抑制といった関係者を挙げた取り組みの必要性を訴えた。
22年度の生乳取引交渉に関しては、現在の需給状況の対応もあって協議に時間がかかっていると説明。篠原会長は「需要改善に向けて効果的な内容になるよう、早期決着を意識して取り組んでいる」と話し、年度をまたぐことなく決着させたい意向を語った。
(安田義教)