野菜高値 道内産地の高温と干ばつ、本州の大雨影響
帯広市内のスーパーで、キュウリやナスなどの果菜やホウレンソウを中心に、全般的に野菜の価格が高値傾向となっている。主要産地の十勝や上川地方の7月から8月にかけての高温と干ばつ、本州の大雨の影響で品薄状態となり、平年と比べ2倍近くの値がついている商品もある。(澤村真理子)
スーパー関係者らによると、野菜の価格は暑さの影響で消費が鈍り、8月上旬ごろまで全般的に安値で推移していた。しかし、道内の高温と干ばつでキュウリやホウレンソウなどの出荷量が減少したほか、関東や九州の長雨で道内産の引き合いが強まったことから価格は上昇傾向に。帯広地方卸売市場によると、ナスの卸売り単価が前年比3割高となっているのをはじめ「相場は全体に上向いている」(大西恵一青果部長)。
スーパー・ダイイチではホウレンソウの販売価格が平年より100円ほど高い。販促を図ろうにも「数がなくて特売に入れられるような状況ではない。ここまで全般的に高値傾向というのは最近ではあまりない」(岩花利典青果担当バイヤー)。キュウリも、平年は1本30~40円の販売価格が同60~70円に上がっている。そのため、消費者が手に取りやすいよう、ばら売りを中心に展開している。
コープさっぽろでもホウレンソウの入荷が安定せず、販売価格が例年より100円ほど高くなっている。一橋和久帯広日高地区本部農産SV(スーパーバイザー)は「農産物で安値なのはキノコぐらい」と話す。ただ、これからの季節は鍋物などでキノコの需要も高まるとみられる。
冬場にかけて、市場に出回る果菜や葉ものなどの野菜は例年、九州など道外産がメインになっていくことから、関係者は「雨の影響で今後も出荷量の減少が懸念される」とし、価格動向を注視している。