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ユリ根など4農産物加工品を提案 食ラボとかち

加工品の活用として提案した試食メニューを前に説明する高橋リーダー(左)

 帯広地域雇用創出促進協議会(会長・中尾啓伸帯広市商工観光部長)が今年度から展開する事業「食ラボとかち」(高橋司プロジェクトリーダー)は、業務用向け食材としてユリ根など4つの農産物加工品と、味付き枝豆を開発した。この成果を管内企業に移転し、雇用拡大につなげる考え。食品事業者などと連携して食材加工事業を担う「十勝農産ファクトリー」の立ち上げも構想に描いている。

 同事業は厚生労働省の補助を得て、2016年度まで3カ年の取り組みとして進めている。今回の加工品開発は13日、帯広市内の飲食店「農家バルFOODBABY」で開いた食ラボミーティングで今年度の事業成果として発表した。同ミーティングには十勝管内の農業者や製造・流通業、飲食業などから約60人が参加した。

 外食業界が人材不足の中、食ラボは加工で手間の掛かる原材料を産地で「1次加工品」にすることに需要があると判断。具体的には、砂糖原料のビートの仲間で赤色が鮮やかなビーツをピューレに、ユリ根とカボチャはつぶしてマッシュ状に、大豆は水で戻して固ゆで状にした。ミーティングではこれらを活用したメニュー提案として、カボチャのシュークリームや、ユリ根のモンブランなどの試食を出した。

 飲食店などを調査した高橋リーダーは「業務用ニーズは細分化されていくだろう。産地は多品種生産や業務要望に柔軟に対応できる体制が必要」とみる。商品そのものの提供でなく、食材加工事業を担う「十勝農産ファクトリー」という構想を持ち、実現に向け、連携できる食品事業者などを募っている。

 これら4原料の加工品の他、小規模な醸造所で生産されたクラフトビール市場の拡大に注目し、3種類の味付きの枝豆「EDAMAMY(エダマミー)」も開発した。真空パックや凍結技術などを使い、さやの外側から「パクチー」「薫製昆布塩」「チーズ唐辛子」の味を枝豆の実に浸透させた。高橋リーダーは「個性的なビールが増えており、個性的な枝豆のつまみもニーズがある」と話す。

 同協議会の中尾会長は「(企業などが)一緒になって取り組み、雇用につながるきっかけになれば」と期待している。(関坂典生)

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