小麦とスイートコーン 十勝の実り、全国へ出荷始まる
【広尾・芽室】十勝管内は実りの秋を迎え、畑での収穫物を道内外の主要消費地に送る作業が進んでいる。輪作の主要作物では最も早く7月下旬に収穫が始まった小麦は、広尾町にある貯蔵施設への搬入がスタートし、十勝港からの船便での出荷を待つ。収穫が本格化しているスイートコーンは管内の主力工場で缶詰などに加工され、全国への出荷が始まっている。
貯蔵庫初荷黄金色の滝 十勝港小麦センター
十勝港広域小麦流通センター(広尾町会所前5)では16日、2014年産小麦の受け入れが始まった。昨年より4日早い。初日午前はJA十勝池田町から「初荷」が到着、黄金色の小麦がサイロへ貯蔵された。
同センターは、ホクレンと十勝管内JAが出資する農協サイロ(社長・山本勝博JA中札内村組合長)が運営。管内の秋まき小麦が「きたほなみ」に品種転換して4年目で、今年は10月初旬までに貯蔵満量の11万7000トンの受け入れを予定している。
午前8時50分、赤文字で「初荷」の垂れ幕を掲げた大型トレーラーがセンターに到着。この日は池田町から計18台400トンの搬入があり、受け入れ容器に次々と小麦を投入した。
最盛期には、1日約150台の大型トレーラーが同センターへ小麦を運ぶ。道外製粉会社への船便初便は9月初め頃の見通し。農協サイロでは「道産小麦の流通拠点として、製粉会社への安定供給の役割を十分果たしていきたい」としている。(小寺泰介)
“粒ぞろい”次々と加工 トウモロコシ日本罐詰で
芽室町内の日本罐詰十勝工場(西9ノ9)では、十勝産スイートコーンの加工が本格化している。粒ぞろいに育った新鮮なトウモロコシが、缶詰や冷凍食品に次々と加工されている。
管内の主力4工場(日本罐詰、北海道クノール食品、マルハニチロ北日本、北海道フーズ)が十勝で契約しているスイートコーンの栽培面積は、生産量日本一を誇る芽室町を含め、4000ヘクタールを超える。
日本罐詰十勝工場は約1000戸の生産者と約2400ヘクタールの畑で直接契約を結び、収穫も請け負う。今年は前年より2日早い7日に操業し、15日に出荷を始めた。お盆明けから製造が本格化し、9月中旬までに約3万トン、1日当たり約1000トンを加工する。
工場は午前5時から翌深夜まで稼働し、1日延べ800人が作業に当たる。スイートコーンは鮮度が重要なため、早ければ収穫から1時間、遅くても4時間以内に缶詰にされる。
同工場の高岡隆常務は「好天に恵まれ、素晴らしい原料が入ってきている。安全で品質の高い製品を造りたい」と話している。(眞尾敦)
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