スキー部を無期活動停止処分 帯広畜産大学飲酒問題
帯広畜産大学(長澤秀行学長)は、4月に未成年の女子学生2人が学内で飲酒し急性アルコール中毒で救急搬送された問題を受け、14日午前、新入生歓迎コンパを開いたのはスキー部で、出席者の半数以上に当たる19人の未成年が飲酒していたことを明らかにした。同大は飲酒の強要は確認できなかったとしながらも、12日付でスキー部に無期限の活動停止処分を下した。同処分は廃部に次いで重い。同大はサークルや教員を通じて、全学生に未成年の飲酒や飲酒の強要を行わないよう指導し、再発防止に努めるとしている。
教職員でつくる学生・課外活動支援室が7~9日、問題のコンパに出席したスキー部の1~6年生35人を対象に聞き取り調査した。調査内容は飲酒や飲酒の強要の有無、飲酒量など。出席者はビールや梅酒、焼酎などを飲んだというが、同大では飲酒量については公表していない。同大によると、コンパ出席者のほぼ全員が飲酒し、うち、新入生15人を含む19人が未成年だった。
病院に搬送された新入生の女子学生は、いずれも200ミリリットル入りのコップで焼酎のストレートを3、4杯飲んだという。ただ、調査結果では「一気飲みや飲酒の強要はなかった」とした。未成年の飲酒や救急搬送の事態について、同部の学生は一様に反省しており、同大は全員に反省文の提出を求めている。
部活動の無期限停止処分は同大ではここ10年は下されていないという。同大は個々の学生の処分も検討しているとする。ただ、引き続き、コンパの会場となった合宿棟を含めて、大学敷地内での飲酒規制は設けない。
今回の事態を受け、同大は13日に約60ある体育系、文化系の部・サークルの代表者を集め、未成年の飲酒や飲酒の強要をしないよう指導した。今後もクラス担任らを通じて全学生への指導や、サークル顧問教諭の研修会などで指導と再発防止を徹底するとしている。
この問題は、4月26日午後7時ごろ、帯広畜産大学内の合宿棟で開かれたスキー部の新歓コンパで、1年生女子学生2人の気分が悪くなり、同8時20分ごろ、救急車で市内の病院に搬送された。2人とも点滴などの治療を受け、翌朝までに帰宅し、命に別条はなかった。(高津祐也)
◆帯広畜産大学飲酒問題について
・飲酒の強要なし 帯広畜産大学飲酒事故調査-十勝毎日新聞電子版(2014/05/10)
・部員の聞き取り調査を実施 帯畜大飲酒事故-十勝毎日新聞電子版(2014/05/09)
・帯畜大で飲酒事故、未成年の2女子学生救急搬送-十勝毎日新聞電子版(2014/05/03)