豪雨調査団が緊急報告会 十勝の台風被害など解説
【札幌】「2016年8月北海道豪雨災害調査団緊急報告会」(公益社団法人土木学会水工学委員会主催)が29日、北海道大学学術交流館で開かれた。
同調査団は、8月中旬から下旬にかけて道内に上陸・接近した4つの台風で、十勝を含む道内各地で発生した河川氾濫や道路・橋梁(きょうりょう)が流失した場所で現地調査を実施した。報告会ではこの期間の気象状況や、石狩川、常呂川、十勝川3水系の被害状況などの調査結果を発表した。
このうち、十勝川水系を調査した北海道大学の泉典洋教授は、札内川・戸蔦別川合流点付近の堤防決壊のメカニズムなどを説明。戸蔦別川の上流で堤防が先に決壊し、堤内地にたまった水が札内川側の堤防を越流、決壊させたと結論付ける根拠を示した。
この被害を引き起こした戸蔦別川の堤防決壊について、「上流は降り始めから3日間の雨量が505ミリに達した。驚異的な雨で相当な流量があり、ピーク時に堤防を越えたのではないか」との見方を示した。
ペケレベツ川やパンケシントク川、芽室川などの中小河川で被害が大きかった点にも触れ、「お金をかけて整備された大河川が守られた一方、中小河川に大被害が出た。今後どうするか、難しい問題だ」と指摘した。(杉原尚勝)