白木さんの最後の酒米づくり 「十勝晴れ」は種作業
【音更】とかち酒文化再現プロジェクト(代表・増田正二帯広信用金庫相談役)は20日、町十勝川温泉地区の白木祐一さん(77)の農場で、地酒「十勝晴れ」の原料米・彗星(すいせい)のは種作業を行った。現体制では酒米栽培は今年で最後となる。
2012年から進める地酒再興プロジェクト。帯広信金、JA木野、帯広畜産大などで構成する。15日の連携機関会議で、醸造先を田中酒造(小樽市)から帯広畜産大内にある「碧雲蔵」へ変更すること、高齢化などを理由に白木さんが栽培を引退することが了承されていた。
この日は、プロジェクト内組織の酒造好適米研究部会のメンバーを中心に17人が参加。午前8時半から、は種機2台で育苗シート1500枚分を作り、汗をかきながらビニールハウス内に並べていった。白木さんは「過去の思い出が浮かんできた。田植えまで温度管理を徹底し、今年も絶対によい米を作って有終の美を飾りたい」と話した。
今期は栽培から醸造まで十勝で完結する初の酒造りを進めることになる。昨年と同じ2・64ヘクタールの水田を作る計画で、5月下旬に田植えを行う。(佐藤いづみ)