ライ麦の魅力広めよう 関係企業・生産者ら「とかちロブロの会」発足 22日に限定サンド
環境再生型農業普及も
デンマークなど北欧で主食とされてきたライ麦パン「ロブロ」や原材料となるライ麦の魅力を広めようと、関係企業や生産者らが「とかちロブロ会」を発足した。ライ麦は、環境再生型農業(リジェネラティブ農業=RA)の観点からも注目されており、ロブロを普及することでライ麦の需要拡大、RAの実現につなげる考え。22日には活動の一環として、帯広市内のオーガニックパンの店「風土火水」(西10南1)でロブロサンドなどを限定販売する。(廣田佳那)
RAは収穫後の根などを残し、耕さないことで健全な土壌をつくることを目指す農業。気候変動の抑制効果や省力化のメリットがあるとされ、特に土中深くに根が伸びるライ麦は、土壌改善の効果などが期待されている。
雑穀卸のアグリシステム(芽室町、伊藤英拓社長)は創業以来RAを推進。同社によると管内の昨年度のライ麦収穫量は約64トンなのに対し、販売量は約30トン。ライ麦の販売先が課題とされる中で、「ロブロの魅力を広めることで、ライ麦の需要も広がりRAの実現につながるのでは」と考え、同会を発足した。
同社を中心に、管内のライ麦生産者やベーカリーシェフ、飲食店経営者らに参加を呼び掛けた。加納製パン代表の加納雄一さんを代表に、会員21人。会員によるライ麦畑の見学をはじめ、ライ麦の栄養価を生かした保育園などへのロブロ普及も検討していく。
また、全国でライ麦文化を広める活動をするくらもとさちこさん(58)=デンマーク在住=も意義に賛同し参加。20日に帯広市内のオーガニックベースラフティで開かれた同会の勉強会で、ロブロの歴史や文化、本場デンマークでのアレンジ法などを紹介した。くらもとさんは「ロブロの多様な楽しみ方を提案し、十勝の農業や土壌を消費者も含めみんなで支えていければ」と話した。
22日の限定販売では、ロブロを使用したサンドイッチ(ロブロサンド=ハーフ450円)やロブロに合わせるペースト(1瓶1000円~)などを販売。店頭にはくらもとさんも立ち会う予定とし、伊藤社長は「ロブロのおいしい食べ方など相談もできる。多くの人にライ麦に触れてもらい、RAについて考えるきっかけになれば」と話している。