前田農産食品に奨励賞、ポップコーンで雇用創出 日本農業賞
第52回日本農業賞(JA全中、NHK主催)の食の架け橋の部で、本別町の前田農産食品(前田茂雄社長)が奨励賞に選ばれた。自社農場で生産したトウモロコシを原料に家庭用ポップコーンを製造・販売し、畑作ながら通年の産業や雇用を創出した取り組みが評価された。(安田義教、北雅貴)
同賞は、農業分野で優れた功績を残した個人や団体をたたえ、食の架け橋の部は農業者と消費者との連携や地域づくりの取り組みを表彰する。
冬場の農閑期の仕事確保や機械の有効活用、輪作体系に組み込める新たな作物作りなどを目的に、2013年から国内でも珍しいポップコーン用の爆裂種トウモロコシを栽培。試行錯誤して品質を向上させて電子レンジ対応のポップコーンとして16年に商品化した。21年には64万袋を販売し、さらに昨年には従来の約2倍の生産能力となる新工場の「北海道十勝ポップコーンファクトリー」を稼働させた。
全国のパン店の関係者らを畑に招いて国産小麦をPRする「北海道小麦キャンプ」とも長年関わっている。前田社長は「農家の冬場の取り組みなどが評価されたのであれば光栄。今後も地域の子どもたちや、パン屋も含めたお客さんとつながる農業を展開していきたい」と話した。
十勝管内の受賞は第45回集団組織の部で、JA中札内村枝豆事業部会が最高賞の大賞を受けて以来。(安田義教、北雅貴)