強風で牛舎の屋根吹っ飛ぶ 子牛ハッチに激突も無事
1日の暴風で、帯広市上清川町の酪農業宗宮学さん(61)の牛舎の屋根が70メートルほど吹き飛ばされていたことが分かった。敷地内に落下し、子牛ハッチに激突したが、運良く中にいた3頭の子牛は無事だった。妻の泰子さん(63)は「屋根はなくなってしまったが、牛や他の建物にぶつからなくて幸運だった」と安堵(あんど)している。
屋根は築35年ほどの牛舎のもので、約10メートルのトタンと一部の梁(はり)が付いたまま飛ばされた。途中で他の牛舎の屋根をかすり、子牛がいた空き地に落下した。外は立っていられないような強風で、何棟かある牛舎の戸や屋根のトタンも飛ばされていた。泰子さんは搾乳用の牛舎の扉を必死で押さえていたという。
空き地には四つの子牛ハッチがあり、3頭を飼っていた。屋根でつぶされたハッチは、牛のいなかった一つのみ。子牛たちは上部を屋根でふさがれたが、命に別条はなかった。強風の後は食欲がない様子だったが、今はいつも通り餌を食べている。泰子さんは飛ばされた屋根を見つめ、「(不幸中の幸いで)本当に良い所に落ちてくれた」と胸をなで下ろした。(塩原真)