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コーヒー飼料・肥料十勝でも スターバックス開発

スターバックスコーヒージャパンの豆かす飼料と、使用するドリームヒルの小椋社長

 コーヒーショップチェーン世界最大手米スターバックスの、日本法人スターバックスコーヒージャパン(東京)は、コーヒーかすを使った飼料・肥料を開発し、十勝でも使われている。飼料はポリフェノールを多く含み、牛の病気の「乳房炎」予防に効果があるとする研究結果もあり、注目されている。

 コーヒーかす飼料・肥料は、昨年4月から販売している。酪農で導入しているのは全国5牧場で、十勝では生乳生産量が全道1位のドリームヒル(上士幌町、小椋幸男社長)が使っている。畑作では、使用する全国11農家のうち4農家が十勝と、多くを占める。

 同社ではチェーン約1000店から年間約7000トンの豆かすが出るため、リサイクルして使用する方法を以前から探していた。他企業などと研究を進めたところ、飼料・肥料に可能性があることが分かり、開発に乗り出した。

 昨年3月には、農水省、環境省、厚労省から、食品リサイクル法に基づき、コーヒー豆かすを飼料・肥料に再利用する計画の認定を受けた。

 首都圏や関西の136店から、店舗に食品などを配送するトラックの戻り便でコーヒー豆かす約900トンを回収。飼料は横浜市、肥料は兵庫県の共同開発した事業者の工場で加工する。

 豆かす飼料はカロリーは少ないが、麻布大学(神奈川県)とメニコン(名古屋市)の研究によると、人間にとっても健康に良いとされるポリフェノールが豊富に含まれ、乳房炎予防に効果がある可能性があるという。

 乳房炎は近年、夏の気温が高いことなどで多く発生。罹患(りかん)した牛の生乳は出荷できないため、乳量減少にもつながり、酪農家を悩ませている。

 乳牛約2300頭を飼うドリームヒルでは豆かす飼料を毎月約20トン、他の餌と混ぜて牛に与えている。小椋社長は「コーヒーの利尿効果も牛にいいのでは。飼料の効果かは分からないが、今年度は乳量が年1万6500トンから1万8000トン以上に増えた」と話す。

 豆かす肥料を使う芽室町の畑作農家・山上美樹彦さんは「特に他と違うわけではないが、有機質肥料の一つとして使える」とする。

 スターバックスコーヒージャパン環境推進チームの石川雄一チームマネジャーは、コーヒー飼料について「まだ試験中だが、牛の血液中の抗酸化作用を高め、体細胞数を減少させる可能性がある」とする。その上で「店舗で牛乳をたくさん使っているので、酪農生産に少しでも貢献できれば。環境負荷を低減して循環型社会を形成していきたい」と話している。(眞尾敦)

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