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農に向き合う~農業経営部会会員紹介「帯広畜産大学地域連携推進センター」

藤倉雄司人材育成マネジャー

1.企業と大学の仲介役
 食の安全や産学官連携、知的財産の活用といった分野で、地域と学内の窓口になるのが帯広畜産大学地域連携推進センター。「産学官連携・知財活用室」「社会貢献室」「人材育成室」「食品安全マネジメントシステム推進室」の4室からなる。それぞれコーディネートを担当するマネジャーがおり、藤倉雄司氏は人材育成と食品安全を主に担っている。

 教授らの専門分野は基礎研究が中心で地域経済の現場ですぐに役立つシーズ(研究成果)は限られるが、藤倉氏は「企業と先生方の仲介役が職務。センターや同友会のさまざまな事業を通して顔と顔が一致し、何かのときに相談してもらえる関係をつくりたい」と話す。

2.地域で活躍する人材育てる
 手掛けた事業の一つが「フードバレーとかち人材育成事業」。2012年度から始めた帯広市と畜大の共同事業で、社会人や大学院生が企業経営や異業種参入、起業などを学んでいる。「社会人の人材育成の仕組みをつくりたかった」と狙いを語り、受講者間でネットワークができて共同研究に至った事例もある。食肉加工業の受講者の1人はその後、同業他社にも呼び掛けて一緒にHACCP導入に向けた勉強会を立ち上げた。藤倉氏は「業界として食肉の安全確保に取り組むリーダシップを発揮してくれた。先進的な取り組み」と語り、受講生の活躍を頼もしく感じている。

3.十勝に就職する学生をサポートしたい
 フードバレーとかち人材育成事業は、社会人だけでなく大学院生も受講している。畜大大学院の単位として認定して受講しやすい環境にあるためだが、社会人と机を並べて講義を受けた学生の変化を肌で感じるという。企業経営の現場で日夜働く社会人の姿に刺激を受け、十勝管内の就職先を探す学生もいる。「問題意識の高い社会人と接し、十勝でいろいろなことができる魅力を感じるのでは」と藤倉氏。十勝で働きたい学生を後押ししていく活動も今後の目標の一つで、「十勝に残りたい子たちをフォローする取り組みを、受け入れる企業と一緒になってできればいい」と話す。


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