十勝港活性化へ活躍を 「広尾町応援リーダー」に2人任命 港湾・物流に造詣 藤江氏と秋田氏
【広尾】広尾町は、港湾・物流業界に造詣が深い2氏を、広尾版観光大使「広尾町応援リーダー」に任命した。十勝港と釧路港-京浜港を結ぶコンテナ船定期航路が就航1年を迎えた一方で、今年3月には道内初の「産直港湾」に認定されるなど、十勝港が港湾・物流業界で注目を集める中、2氏には「十勝港活性化に向けた活躍を」(田中靖章町長)と期待する。
新たに任命されたのは、寒地港湾空港技術研究センター特別調査役の藤江成宏氏(69)と、港湾関連資材取扱商社・秋田船具店(福井県敦賀市)社長の秋田晶氏(69)。
藤江氏は、十勝-京浜間のコンテナ船定期航路を共同運航する香港の海運大手「OOCL」日本支社の前代表。定期航路開設に向けたトライアル(試験運航)や定期コンテナ船就航に向けて陣頭指揮も執った。
秋田氏は、2001年に十勝港で実施した港湾空港技術研究所(港空研)などの液状化現象に関わる調査に携わってから、十勝港との関わりも深く、国土交通省港湾局や港湾・物流業界にも幅広い人脈を持つ。
藤江氏への委嘱状交付式は5月31日、秋田氏への委嘱状交付式は5日、それぞれ町役場で行われた。藤江氏は「現状のコンテナ取扱貨物量は輸入・移入9対輸出・移出1」とし、「実入りコンテナ増などで、バランスを調整するには、内航(国内への移出)を増やすこと。例えば、十勝から日本海の港湾に持って行けないか」などと話した。
また、秋田氏は「農産品や水産加工物など、(十勝管内など)地元からものをどれだけ出せるかがかぎ」などとし、「十勝港は(港湾で安全な船舶活動を確保するための指標の)静穏度も高く、条件がいい港」とも述べた。
広尾町応援リーダーは13年度にスタート。広尾に縁がある著名人や経済人を対象に町長が委嘱。観光資源や特産品などをそれぞれの活躍分野で紹介してもらう。現在、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)、女子硬式野球日本代表でキャプテンを務めた志村亜貴子さんなど各界の22人が活動する。(松岡秀宜)