畑から目覚め、十勝川西長いも春掘りスタート 土壌凍結懸念も対策奏功
十勝管内10JAで生産する「十勝川西長いも」の春掘り作業が8日、始まった。少雪による土壌凍結が心配されたが、太く形の良いナガイモが地中から姿を現すと、農家は安堵(あんど)の表情を浮かべていた。
十勝川西長いもは通年出荷に向け、秋と春の2回に分けて収穫を行う。昨秋と今春を合わせた「2024年産」は管内247戸が約510ヘクタールで作付けした。
24年産は約2万3000トンと前年比約5000トン少ない見込み。帯広市川西長いも生産組合の八代和樹組合長(41)は「前年は猛暑で肥大化し、生産量が異常に多かった。24年産も平年に比べると多く品質は良いだろう」とする。今春は24年産全体の3割強となる約8200トン(前年比約2900トン減)を収穫予定。
2月の大雪前までの少雪のため、各農家はマルチなどで土壌凍結対策をした。「凍結深度は各農家平均37センチで被害の大きくなるギリギリだった」(八代組合長)。
この日、市基松町の八代組合長の畑では9人で午前7時半から作業。長さ70センチ、直径7センチほどのナガイモを手際よく収穫した。八代組合長は「平年とほぼ変わりない出来。ただ凍結により苦労している農家もあり、一手間も二手間も加え作業している」と話した。春掘り作業は各農家今月中旬ごろまで行う。(山田夏航)
畑から目覚め、十勝川西長いも春掘りスタート