仮想空間で受刑者に仕事紹介 市内運送会社のドリームジャパン北海道がフォーラム参加
受刑者らを対象とした仮想空間(VR)での企業説明会「全国メタバース仕事フォーラム」(31日、日本財団主催)に、帯広市内の運送会社ドリームジャパン北海道(長原和宣社長)が参加する。積極的に受刑者らの更生支援に取り組んでいる長原社長は、「本気で更生したい人が弊社を志願してくれたら」と話している。(菊地正人)
法務省によると再犯者の多くは無職で、再犯防止には企業の理解と、刑務所出所者・少年院出院者の働く意欲のマッチングが必要とする。日本財団は企業が親代わりとなって出所者らを雇用し、再犯防止を目指す「職親プロジェクト」に取り組み、長原社長は同プロジェクトの北海道支部長。
プロジェクトでは2022年から刑務所で「仕事フォーラム」を続けてきた。ただ、矯正施設を訪れる企業側の負担や、受刑者にとっても職業選択の幅が収容される施設周辺に限定されがちという事情もある。こうした問題解消へ昨年、初めてメタバース上で実施された。長原社長は「受刑者が遠隔地の企業を知ること、複数の施設の多くの受刑者に会社紹介できるメリットがある」と意義を語る。
同社は東日本エリアのフォーラムに参加する。参加企業は、職親プロジェクト加盟の全国16社。道内からは他に、札幌市の運送会社「弘和通商」(長谷川朋弘社長)も出る。受刑者は東日本の8施設から計15人参加予定。長原社長は「限られた時間で参加者が知りたい情報を的確に伝えたい」と意気込んでいる。
同社には出所者が多数在籍するが、昨年は再犯者が1人も出なかったという。