ビート苗の移植作業 早くも始まる
【幕別】暖かい陽気が続く中、砂糖の原料となるビートの苗の移植作業が十勝管内で早くも始まっている。ビニールハウス内で育てた苗が機械で次々と植えられ、畑に緑色の線を描いている。
ビートの栽培はこれまで移植が主だったが、畑に直接種をまく「直播(ちょくはん)」が増え、現在は直播がやや上回っている。移植ではペーパーポットと呼ばれる紙筒に種を入れ、ハウス内で45日間ほど育てて畑に植える。労力はかかるが、霜や風害などに強いことが特長。
幕別町駒畠の本田晴美さん(67)は14日に作業を始めた。作付面積は約20ヘクタール。トラクターがけん引する作業機が広大な畑に4列ずつ苗を植え付ける。本田さんによると、例年は20日前後が作業初日。「気温の高さで畑の土の乾きが進み、気温が0度を下回る心配もないので移植を始めた。今年は収量も糖度もあるビートに期待したい」と話していた。
道農政部によると、管内の昨年のビート生産量は前年比7・5%増の153万5296トンだったが、平均糖分は同2・7ポイント減の13・2%と過去最低水準まで落ち込んだ。(松村智裕)