ヒツジ研究半世紀一冊に 帯畜大の福井名誉教授が自費出版 繁殖技術紹介「価値見直して」
【音更】帯広畜産大学名誉教授の福井豊さん(75)=音更町在住=がヒツジとの関わりについて記した本「羊と豊心」を自費出版した。ヒツジの繁殖に関する研究を50年以上続けている福井さんは「北海道のヒツジの繁殖や増産に少しでも役立てばうれしい」と話している。(松村智裕)
福井さんは大阪市出身。山口大獣医学科、北大大学院獣医学研究科を経て、1972年に豪州ニューサウスウェールズ大の羊毛・牧畜学科に留学。「そこで季節繁殖するヒツジに興味を持った」と振り返る。
帯畜大には80年着任。本では自身の半生や英国やニュージーランドに客員研究員として滞在して学んだ人工授精技術、現在普及を進めている子宮内人工授精(ラパAI)などを紹介している。写真も多数掲載し、ラパAIの受胎成績なども示している。
福井さんは同大を退職した2012年に「北海道シープ・ブリーディング・サービス(家畜人工授精所)」を設立。道内各地でヒツジの人工授精を手掛け、「道内の飼養頭数は減少しているが、利用価値のあるヒツジを改めて見直してほしい」と話している。
A4判76ページ。150部制作した。表紙には1984年当時、ヒツジと触れ合う36歳の福井さんの写真を載せている。
「羊と豊心」に関する問い合わせは福井さん(電話080・6093・7157、Eメールshemy@zpost.plala.or.jp)へ。