長崎屋帯広直営売り場今夜閉店 名残惜しむ買い物客
帯広市中心部で長年営業を続けてきた長崎屋帯広店(帯広市西4南12)が、31日午後9時で直営売り場を閉店する。百貨店・藤丸に続く中心部の大型店閉店を惜しみ、同日は午前中から多くの客が訪れた。
同店は6月に直営部門の閉店を明らかにし、同月下旬から「完全閉店お客様感謝セール」と銘打ちセールを始めた。「セール期間中、客入りも売り上げも通常時に比べ約4倍」(同店)と多くの客が訪れ、現在では直営売り場で空き棚が目立つ。衣料品など、一部のコーナーでは商品がほぼ売り切れ、棚が撤去された売り場も見られた。
セール終盤には、スーツ2200円やジャケット220円、靴下11円などのさらなる値引き商品も登場。31日も売り場に残る商品を多くの客が手に取っていた。
市内の農業太田道弘さん(54)は「食料品や本、バッグなどをよく買った。8月以降もテナントが営業するなら来たい」と話した。
同店の谷口修店長は「セール中何度も買い物に訪れる客や、昔を懐かしんで来店してくれる客が多くいてありがたい」と話した。
直営売り場は31日で閉店するが、テナントは「当面は営業を継続する」とする店が多い。
同店は1990年、市内西2条通から現在地に移転オープン。衣料や日用品などの直営部門のほか、約30のテナントで構成。土地建物は宮坂建設工業グループの登寿ホールディングスが取得。テナントとの契約は最長で来年3月までとし、その後は解体する方針を示している。(吉原慧)