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1年で1000万円急騰 市内の注文住宅、4000万円の時代に

今年度に入って持ち家着工戸数は減少傾向にある帯広市内

 今や夢のマイホームの相場は4000万円の時代-。ウッドショックに物価高騰、追い打ちをかけるように急激に進む円安により、住宅価格の高騰が止まらない。特に帯広市内では土地の価格も上昇しており、この1年で土地と建物を合わせると、住宅価格は1000万円も急騰。関係者たちは、先の見えない不安定な価格に頭を抱えている。(完戸雅美)

 住宅市場をめぐっては、新型コロナで低迷していた世界経済に回復の兆しが見え始めた昨年春、米国の住宅需要の高まりによるウッドショックにより、輸入に頼っていた住宅木材が日本国内でも高騰。さらに半導体不足、ロックダウンによる部品供給の遅れなどにより、新築住宅に必要な、あらゆる商品の価格が相次いで値上げされた。

 今年に入り、ウッドショックによる住宅木材の価格は落ち着きつつあったものの、原油高による物価高騰と円安が追い打ちをかけ、住宅資材の価格が再び高騰を続けている。

 十勝2×4協会によると、以前は土地と住宅で3000万円が相場だった価格は、この1年で4000万円にまで跳ね上がった。坪単価で20万円も上昇し、坪80万円が平均だという。大手ハウスメーカーの中には坪100万円になっているケースもあるといい、同協会の竹市真巳会長(Cryptn社長)は「帯広市内は特にこの2年くらいで土地も坪平均2万~3万円上がっており、場所によっては坪5万円ほど上がっている」と指摘する。まとまった土地は、投資目的のアパート建設で押さえられているという。

 国土交通省がまとめた新設住宅着工戸数によると、帯広市内の持ち家着工戸数は2019年度が497戸、20年度456戸、21年度501戸で推移。22年度は4~8月で157戸となっており、前年同期比で85戸(35%)減で、前年度を割り込んでいる。

 市内の建築会社の代表は「昨年はウッドショックによる価格上昇で、購入を見送った人も結構いる。ただ、今年に入ってさらに上がっているので、昨年購入を検討した人も戻ってこない。仮に金利が上がるような事態になれば、住宅需要は一気に冷え込む」と語る。

 別の建築会社は「資材価格ばかり上がって、賃金に反映できていない。若い人が入らず、大工の人材確保も難しくなる」と指摘。オープンハウスを開催しても見学者は減少しており、「このままでは業者同士のつぶし合いになりかねない」と危機感をあらわにした。

 業界関係者は「住宅を希望するなら、早ければ早い方がいい」と言い切る。今のところ住宅価格が下がる要素はなく、当面は高値で推移しそうだ。


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