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電線に木の幹が「台風よりひどい」 管内大規模停電

国道236号の片側をふさぐ倒木。一時交互通行になった(1日午後9時ごろ、帯広市昭和町。小山田竜士撮影)

 急速に発達した低気圧による暴風で、十勝管内では1日から2日にかけて倒木や建物の屋根が飛ぶなどの被害が相次いだ。停電が続く農村部などでは学校が休校し、住民が2日朝から不安げな表情で避難所を訪れた。師走の嵐の影響は、住民生活や交通機関など広い範囲に及んだ。

 更別村では電柱や樹木が倒れ、停電も発生。村内の無職堀口政治(まさじ)さん(78)は「家の裏の木も倒れていた。とりあえず非常用電源で暖を取っているが、とにかく早く復旧してほしい」。村内の食品加工工場も1日午後6時ごろから停電していて、「食品への影響はないが、長引けば操業に影響が出てくる」と心配した。

 強い風は夜中も吹き続けた。芽室町上美生市街地の60代男性は「いつもの風は南や西から吹くが、昨日からは回っている感じで吹いている。夜も風の音がすごく、家の戸が揺れていた」と話し、夜はランタンで過ごしたという。中札内村で老人クラブの会長を務める岡田豊さん(94)は「台風よりもひどい状況」と驚いていた。

 帯広市など停電が発生した自治体では避難所を設けて対応した。中札内村は村文化創造センターなどに開設し、同センターには2日朝から2組の親子連れが訪れた。寒さをしのぐために訪れた村新生の女性(39)は、学校が臨時休校となった長男(小学4年)、次男(同1年)と3人で避難し、「ブラックアウトの時に、ポータブルストーブを買っておかないとと考えたのに、何とかなると思って備えていなかった」と悔やんだ。

倒壊したビニールハウス(2日午前10時50分、帯広市美栄町)

「いつ戻るのか」 ハウス倒壊や搾乳に影響
 大荒れの天候は、農業にも大きな被害をもたらした。ビニールハウス倒壊などのほか、停電の影響もあり、農業者は2日朝から対応に追われている。

 帯広市美栄町では強風でビニールハウスが倒壊。森田農園では壊れたビニールハウスが道路脇の電線に絡まった。森田博之さん(46)は「こんな突風は想定していない」と肩を落とす。施設内にはコロッケに加工するジャガイモや牛肉など約500キロを冷凍しており、「きょう、あすに停電が復旧してくれないと」と話す。

 同じくビニールハウスが倒壊した同市美栄町の中山農産でも、代表の中山哲二さん(47)や家族らが野菜ケースなどの片付け作業に追われた。中山さんは「天気は仕方がないけど、やりきれないね」。

 音更町東士狩でも、ビニールハウスが強風で吹き飛んで電線にからまり、コンクリート製の電柱が折れた。伊藤和英さん(53)のビニールハウスも倒壊。ブロッコリーの育苗やトマトなどを栽培するが、「こんなことは初めて。いつになったら元通りになるのか」と途方に暮れていた。

シャッターがめくれ、屋根がはがれた中札内村市街地にある村の書庫(2日午前9時半ごろ)

 中札内村でも施設被害が相次いだ。ビートの苗を育てるハウスの扉も飛ばされた畑作業の男性(58)は「インターネットで災害情報を探したが、なかなかなくて不安だった。せめて一日前から分かっていれば…」と肩を落とした。

 一方、同村の酪農業の男性(43)は2日午前、非常用発電機で乳牛100頭の搾乳作業を賄った。栄養分の濃厚飼料を収納する機械は停電で動かせなかった。男性は「搾乳優先。牛にはサイレージで頑張ってもらうが、これが2日も続けば、1頭で2~3キロは乳量が落ちてしまう」と懸念する。

 同村によると、大規模草地育成牧場は搾乳をしないため自家発電がなく、停電でポンプが動かせず牛に水やミルクを与えられない。2日朝に村の防災備蓄倉庫から発電機を運び込み、電源を確保している。

 JA北海道中央会帯広支所によると、管内の各JAからは、ビニールハウスや畜舎などの施設が壊れる被害や、非常用電源が作動しないことで搾乳に影響が出ている現状も報告されている。「現在、被害状況を取りまとめている最中」(同支所)としている。

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