小麦は大豊作 過去2番目26万トン ホクレン
ホクレンが取り扱う2021年十勝産小麦は、前年比28・6%増の26万1000トンになる見通しだ。4月以降の気温が平年より高く推移したほか、春先には適度に雨も降るなど、開花時期までの天候の良さもあり、過去2番目の多さの大豊作となると予想されている。収穫時期の天候もおおむね順調で、品質も1等級が多い状況だ。
品質も1等級
ホクレン帯広支所によると、うどんなどに使われる中力の主力品種「きたほなみ」は24万2000トン(昨年比27・4%増)、パンなどに使われる超強力品種「ゆめちから」は1万7000トン(同比41・7%増)を見込む。
今年産は、6月までの間、平均気温が平年よりも高く、日照時間がかなり多いなど、開花期まで好天が続いたため受粉も良好に推移。粒の数が多く、豊作基調とみられていた。
今夏の高温少雨の影響も心配されたものの、実の太りに必要な光合成を促す日照時間は多い時期が続いため、「懸念された細粒傾向にはならなかった」(帯広支所)とする。
また、1ヘクタール当たり取扱量は約7・1トン。過去最高の取扱量(28万1000トン)だった15年(1ヘクタール当たり取扱量約7・0トン)を上回るなど、近年でも極めて良い粒の多さとなった。
収穫期に雨が続くと品質は下がるが、7月下旬から8月上旬にかけては極端な降雨もなく、作業も順調に進行。「製品歩留まりは9割以上を確保。等級もほぼ1等級で良い出来」(帯広支所)とし、「品質面でみても、タンパク値も例年より低く、高品質の小麦になった」(同)とする。
ホクレンが取り扱う管内21年産の作付面積は3万6700ヘクタール。前年よりも200ヘクタール多かった。全道の34・3%を占めるなど、地域別では最も多い。前年秋に種をまく秋まきと、春まきがあり、秋まきが99%以上を占める。(松岡秀宜)