「リゾベーション」確立へ 運営のホテルでテレワーク実証 十勝シティデザイン
十勝シティデザイン(帯広市、坂口琴美社長)は、大手企業などと連携し、「リゾベーション型」滞在という新たな考え方での関係人口創出・拡大への取り組みを進めている。内閣府のモデル事業にも採択され、今年度はイベントやツアーなどを通じ、自社運営のホテルを拠点にテレワーク体験での実証調査を行う計画だ。
リゾベーションは「リゾート」「ワーケーション」「イノベーション」を合わせた造語で、働きながらエンターテインメント性のある余暇も過ごせる機会を提供するなどを意味する。
同社は2016年に帯広中心部にホテルヌプカを開業。中心部全体を一つの宿と見立てる「まちやど」構想を推進し、昨年にワーケーション推進などで帯広市、第一生命保険(東京)と連携協定を締結した。15日には帯広第一生命館内に、ホテルの別館やコワーキングスペースも開設する。
昨年5月に同社を核とする十勝・帯広リゾベーション協議会を設立。ANAホールディングスや電通、地元の十勝バスが名を連ね、市もオブザーバーで参加、十勝でのモデル事業の検討を進めてきた。5、6月に首都圏で企業の役員など向けに説明会イベントをリアル・オンライン併用で展開。ホテル別館を拠点に滞在型ツアーを実施し、地元の企業やイノベーション人材との交流会や参加企業向けに個別相談会も行う。
十勝シティデザインの創業者柏尾哲哉さん(東京)は「都市型生活者や企業が地方を拠点に新たな価値創造に主体的に関われる体制を長期的に継続させたい」としている。
内閣府は関係人口創出・拡大に向け、昨年度から「中間支援組織の提案型モデル事業」を展開。事業予算は1件につき500万円~1000万円程度。今年度は全国から62件の提案があり、9日付で14件が採択された。(佐藤いづみ)