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蔵人と研究、2足のわらじ 碧雲蔵女性職人の山根さんが帯畜大大学院合格

合格通知書を手に、今後の研究に意欲を見せる山根さん(右)。中央は菅原准教授、左は川端総杜氏

 上川大雪酒造(上川管内上川町)の社員で、帯広畜産大学敷地内に昨年開設された日本酒の醸造拠点「碧雲(へきうん)蔵」で働く山根桃華さん(28)が、同大大学院博士課程に合格した。今春から蔵人と研究の二足のわらじで忙しい日々を送る。山根さんは「プレッシャーもあるが、研究を醸造環境の向上につなげたい」と話している。

 山根さんは昨年5月に同社に入社。現在は副社長で総杜氏(とうじ)の川端慎治氏の下で、女性蔵人の1人として碧雲蔵で醸造業務に当たっている。札幌市生まれで北大卒。大手化学メーカーに就職し、愛知で働いていたが、上川大雪酒造の地方創生の理念に感銘し、門をたたいた。

 山根さんは入社後、川端氏らから大学院進学を進められ、一念発起して面接などを突破した。同社からの帯畜大大学院合格は唯一で初めて。東北大から昨年招聘(しょうへい)された、醸造微生物学などが専門の菅原雅之准教授の下、自然界に存在する乳酸菌の乳酸を利用した「生酛(きもと)造り」に関与する微生物などについて、碧雲蔵をフィールドに研究する。

 「微生物などを解析し、酒の成分と関連付けることで、安定的な醸造にもつながる」と菅原准教授。昨年、帯畜大客員教授に就いた川端氏も「将来、酒蔵の中核で活躍できる人材。業務との両立は大変だが、やり遂げてほしい」と期待している。(佐藤いづみ)

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  • 醸造と研究、2足のわらじに挑戦 碧雲蔵女性職人の山根さんが帯畜大大学院合格 2

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