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中心部で66年 鮮魚店に幕 牧野水産23日で 自社工場に機能集約

牧野水産が66年間にわたり営業してきた銀座センター内の鮮魚店。左が久保専務

 牧野水産(帯広市、牧野敬子社長)は、66年続けてきた帯広市西2南8、銀座センター内での鮮魚店の営業を23日で終える。中心部空洞化に伴う一般販売の減少などが理由。卸売りなど従来担ってきた機能は自社工場内に移す。

 同社は1954年から同センター内で鮮魚店を経営している。94年には西10南8の食品工場を改築し、加工や総務の機能などを移した。

 ただ、登記上の本社は銀座センター内に置いたままとし、2002年には店舗の大幅リニューアルを行い、対面販売も残しながら小売りと卸売りの拠点として営業を続けてきた。

 センター内の店舗閉店を決めたのは今年に入ってからという。同社の売り上げの9割は市内飲食店などへの卸だが、10年ほど前から小売り部門の売り上げ減が進み、現在はピーク時の半分ほどになった。

 入社以来、店舗で勤務する久保博樹専務は「昭和50年代までは活気があった。センター内もピーク時で8店がひしめき、人が通れないほど。座る暇もないほどの忙しさだった」と振り返り、「小売店の顧客は年々高齢化し、周辺にも人が少なくなってきた。創業の地を離れるのは断腸の思いだが、拠点の統合が必要と判断した」と話す。

 25日から移転先での業務を始める。当面は店頭に商品を並べる形ではなく、地方発送や贈答などの注文販売のみ対応する。久保専務は「新型コロナが落ち着いたら、食品工場内に直売機能を新設することも検討している」としている。

 同センター内では、青果店の「工藤商店」(藤森秀孝社長)も同時に閉店し、西7南9にあるグループ企業のアサヒ青果食品(同)に移転する。(佐藤いづみ)

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