市内の公衆浴場 連休中の臨時休業相次ぐ
新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、道が実施した休業要請の対象外となった銭湯でも、ゴールデンウイーク期間中、臨時休業に踏み切る動きが帯広市内で相次いでいる。ライフラインとしての役割も大きく、営業を続ける予定だったが、管外客増加への懸念から安全性を考えての苦渋の決断という。一方、営業を継続する施設でも衛生対策を強化している。
市内の自由ケ丘温泉(鳥谷繁樹社長)は5月2~6日の休業を決めた。きっかけは今月中旬、首都圏から訪れたとみられる学生らの利用。その後、東京・大阪方面からの入館遠慮を願う趣旨の張り紙をしたほか、従業員のマスク着用徹底、受付には飛沫(ひまつ)感染防止シートを設けるなどしてきたが、休業要請が出た直後に決断した。
鳥谷社長は「例年、旅行客も含めて利用者が2~3割ほど多くなる。従業員や利用者の安全を考えるとどんな対策をしても不安が募り、心苦しいがやむを得なかった」と打ち明ける。
やよい乃湯(浅野洋平社長)も5月1~6日に休業する。当初は営業を続ける予定だったが、「休業要請の範囲から外れ、利用者の安心材料となっている部分がある。札幌や道外ナンバーの車もあり、売り上げは厳しいが苦渋の決断」(浅野社長)。オベリベリ温泉水光園(江川正之社長)も知事の休業要請後、アルコールの提供を自粛するなどしていたが、「感染防止策をやり切った中での対応」(江川社長)と、29日から休業に踏み切った。
昨年リニューアルしたひまわり温泉(木村真之社長)も5月2~6日の臨時休業を決めた。施設内では3月から、食品の消毒などに使われ除菌効果があるとされる次亜塩素酸水の生成機を導入。同水を使い、施設内除菌も強化している。
衛生対策し営業継続も
一方、連休期間中の営業を決めているたぬきの里(梅田勇吉社長)も次亜塩素酸水の生成機を入れ、施設内除菌に活用している。さらに、利用客が集中した場合は脱衣所への入場を制限する予定という。
両社は生成した次亜塩素酸水の無料提供も始めており、「衛生対策の取り組みを広く知ってほしい」としている。(沖田唯可、佐藤いづみ)