シシャモ漁獲290トン 前年4割減
十勝総合振興局は、今年の管内シシャモ漁(10月10日~11月23日)の漁獲状況をまとめた。漁獲量は前年比38・8%減の286トンとなり、3年ぶりに200トン台にとどまった。単価は上昇したが、漁獲量が少なく金額も22・6%減の3億5205万円となった。
漁協別では大津が51・6%減の62トン、大樹が29・2%減の46トン、広尾が35%減の178トン。3漁協の合計漁獲量は過去5カ年平均(308トン)と比較しても低かった。
釧路水産試験場(釧路市)は当初から漁獲量の減少を予想していたが、ここまで落ち込んだ明確な原因は分かっていない。
1キロ当たり単価は26・4%増の1231円と上昇。需給バランスのほか、卵の成熟度合いや入りが良く、魚体も大きかったが、漁獲量の減少をカバーするには至らなかった。
管内沿岸の秋サケ漁(8月30日~11月20日)は4・7%増の2009トン。前年を上回ったが、重量では、ここ10年で3番目に低く、尾数は8・2%減の53万1220尾だった。漁獲金額は7%減の11億7759万円。
広尾が30・2%減の405トン、大樹が5・3%増の479トン、大津が27・4%増の1125トン。極端な不振を受けて、沿岸自治体では緊急補助金などを予算化している。
十勝総合振興局の三井真局長は「地元が起点となってハイエンドの方にも十勝の水産物を知ってもらい、漁獲が少ない年でも高く売る取り組みをしなくては」と話している。(中島佑斗)