被害軽減に向け連携を 広尾 国、道、町主催で地震・津波防災訓練
【広尾】「津波防災の日」(今月5日)に合わせた「地震・津波防災訓練」が7日、町内で行われた。町が内閣府や道と主催する管内初の取り組み。多数の町民が参加し、災害時の被害軽減に向けた行動やノウハウを学んだ。
「自助」「共助」に主眼を置いた住民参加型で、地域の防災力向上が目的。全国では今年度、広尾を含めた7自治体で同様の訓練を実施している。
広尾では十勝沖を震源とするマグニチュード9・1、震度7の大地震が起き、36分後に最大29・4メートルの津波が到達すると想定した。
訓練は2部構成。午前9時半の緊急地震速報を合図に、町内全域で机の下などに入る「シェイクアウト訓練」をその場で行い、沿岸の津波浸水区域の住民のうち、約380人が11カ所の緊急避難場所へ駆け込んだ。
続く第2部では、青少年研修センターで「避難所開設訓練」を行い、約150人が参加。自主防災組織が主体となった避難所の開設や支援物資の受け入れ、備蓄資材の取り扱いなどを体験し、炊き出しの試食ではシーフードカレーが振る舞われた。
釧路地方気象台の榎本弘次長が防災講話を行い、「広尾は過去100年で震度5以上が8回、津波が5回発生した」と述べ、安全の確保を呼び掛けた。
町では昨年、4年に1度の総合防災訓練を実施。今回も広尾署や広尾消防署などと連携して取り組んだ。参加した斉藤千枝子さん(76)は「自宅では水や食料を常に備蓄している。万が一に備えて、さまざまな体験ができて参考になった」と話していた。(松村智裕)