上士幌でけん玉ブーム クラブ設立も
【上士幌】昔遊びのけん玉が上士幌町でひそかなブームとなっている。町内で開かれたけん玉パフォーマーのショーを機に、小学生を中心に人気に火が付き、けん玉クラブも立ち上がった。今ではあちこちから出演依頼を受けるまでに。世代間交流も生まれるなど、けん玉を通じて交流の輪が広がりつつある。
きっかけは、3月に町内であった世界的なけん玉パフォーマンスユニット「ず~まだんけ」のショー。技の数々に魅了された町職員の高橋克磨さん(26)と二宮翼さん(31)が呼び掛け人となり、小学生を対象にけん玉教室を開いたところ、好反応だった。
その後も、ず~まだんけの公演が帯広であると聞けばバスで見に行くなど、けん玉に熱中する小学生が急増。上士幌小6年の杉森立平君と原口龍煌君によるユニット「T-DAMA」も生まれた。
高橋さんらも、地震で被災した胆振管内厚真町を訪れ、子どもたちの精神的ケアのため遊び場でけん玉を教えた。また、上士幌の魅力向上にもつなげたいとインスタグラムを開設。町内の商店や名所でけん玉パフォーマンスを披露する、プロモーションビデオをアップし続けている。市街地から三国峠まで町内全域をくまなく巡る予定だ。
11月には年齢を問わず誰でも参加できる「かみしほろけん玉キッズクラブ」も設立した。キッズという言葉には「いつまでも子どものような心でありたい」との思いを込めたという。すでに約10人が入部し、今後も増える見通しだ。
こうした取り組みが評判を呼び、音更や芽室など管内自治体からはイベントへの出演依頼も舞い込む。イベントでは技を披露するだけでなく、子どもたちが同世代や高齢者にけん玉を教える光景も見られた。高橋さんは「町外に出向くことでコミュニケーション能力も磨かれている。熱中できるものに出合い、子どもたちの生活は激変した」と目を細める。
道内のけん玉仲間のネットワークをつくろうと、有志と協力しコミュニティーも立ち上げた高橋さんと二宮さん。夢は、広島県で毎年開かれているようなけん玉の大会を北海道で開くことだ。2人は「誰がやっても笑顔になれるのがけん玉の魅力。人と人をつなぐツールでまちおこしに一役買っていきたい」と力を込めている。
(安倍諒)