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トマトハウス今季限りで閉店へ 幕別 開設30年目

開設30年目のトマトハウスの前で笑顔を見せる(右から)苧坂代表と店員ら

 【幕別】町相川地区の3農家による農産物直売所「トマトハウス」(町相川534、苧坂隆一代表)は今シーズンを最後に営業を終了することを決めた。十勝管内のファーマーズマーケットの草分けとして歴史を刻み、今年で開設30年目。苧坂(おさか)代表(37)は「30年前に比べて作付面積は倍以上になり、それぞれが農作業との両立が難しくなった。残念だが地元の常連さんなど多くの人に支えられてこれまでやってこれた」と周囲に感謝している。

 トマトハウスは1989年7月、苧坂代表の父照明さん(68)ら地域の6人が現在地の向かい側に無人直売所として開店。間もなく有人化し、3年後に国道38号沿いの現在地を拠点とした。大きな看板が目印で今年は5月16日にオープンした。

 現在は苧坂代表と奥田茂己さん(64)、渡辺隆義さん(62)の3人が共同経営者として毎朝、収穫した野菜や野菜苗、花苗などを運び入れている。

 スーパーにはなかなか並ばないキュウリ「黒さんご」が3本150円、レタス120円、キャベツ180円など新鮮な野菜を安価で提供。今後はトマトやナス、ピーマン、秋にはカボチャやトウモロコシなどが店頭に並ぶ。

 奥田さんは「牛乳の輸送缶にお金を入れてもらっていた無人直売所から始まった。思い出はたくさんあるし、多くを学んだ」と感慨深げ。渡辺さんは「毎日持ってくるのは大変だが、お客さんの喜ぶ顔が直接見られるから続けてこられた」と振り返る。

 常連が多く、町出身で五輪に出場した自転車マウンテンバイク(MTB)の山本幸平選手や7人制ラグビーの桑井亜乃選手の両親もよく足を運ぶ。直売所内には2人のサインも飾られている。

 現在の建物はすでに20年ほどが経過。一昨年には台風10号の影響で店が浸水し、さらに傷みが激しくなった。

 店が終了するのは11月下旬ごろの予定。苧坂代表は「閉店するまでは今まで通り新鮮で良質なものをお届けする。ぜひ足を運んでほしい」と話している。

 営業時間は午前8時半~午後4時。火曜定休。問い合わせは同直売所(0155・54・2075)へ。(松村智裕)

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  • 店頭に並ぶ野菜類

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  • 店頭に並ぶ花苗

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