熟成農産物を販売 「十勝いけだ屋」設立へ 農商若手が連携
【池田】町内で農業や商業を営む6人が連携して、3月に新会社「十勝いけだ屋」を設立する。町の十勝ワイン事業を見て育った30、40代の若手がワインのように農産物を「熟成」させることで付加価値を付けて商品化する。ふるさと納税の返礼品など、多様な熟成物を詰め合わせブランド化する。
設立メンバーは、若手異業種交流グループ「IKEDAノムリエ研究会」(田中健二代表)で開いている年4回程度の例会に出席し、町の活性化につながる動きをしようと話してきた。
同研究会事務局長で保険代理店を営む細川征史さん(38)=細川経営ビジネス代表=が発起人の代表となり、農業の吉地隆行さん(40)、吉田岳大さん(41)、美濃志拓さん(32)と、飲食業で同研究会代表の田中さん(39)=寿楽の息子代表=、カフェアンドライフアカオ代表の赤松好子さん(39)の6人で設立することにした。6人で計160万円を出資する。
熟成は既に吉地さんが行っている熟成ジャガイモを軸にする。吉田さんの山ワサビ、美濃さんのタマネギ、赤松さんのコーヒー豆を吉地さんのむろで一緒に熟成させて味わいを差別化し付加価値を付ける。多様な農産物などを詰め合わせて統一ロゴやラベルで商品化する予定。将来的には観光客を池田町に誘導し、町内店舗でも飲食できるようにする。
企業理念には、地域と個々の生業の発展、安定と向上に加え、次世代が着実に豊かになるための土台作りを掲げる。経営方針には、十勝ワイン創業者で元池田町長の故丸谷金保氏が同研究会の講師に招かれた時に語った「焦らず 慌てず 諦めず」「良質な非常識を極める」も盛り込む。
起業には町も応援し、産業活性化事業補助金の活用も見込む。新会社の社長に就任予定の細川さんは「民主導の農商連携で、地域活性化をしたい」と意気込む。
(関坂典生)