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クラウドファンディングで修復を 帯広出身上智大石澤教授

アンコール・ワット西参道修復事業への協力を求める石澤教授

 【東京】帯広市出身の石澤良昭上智大学教授(80)が所長を務め、世界遺産のカンボジアのアンコール・ワットの保存と修復に取り組む同大アジア人材養成研究センターが、インターネット上で資金調達するクラウドファンディング(CF)で工事費を集めている。4月20日までの約3カ月間で1000万円を目標に集め、西参道の修復に充てる計画で、十勝からの支援にも期待している。

 石澤教授は帯広三条高、上智大学外国語学部フランス語学科卒。1996年に同センターを開設、自ら現地を行き来し、石工など現地の建築技能者養成とアンコール・ワットの保存修復活動に力を注いでいる。長年の国際貢献が認められ、昨年、「アジアのノーベル賞」といわれるラモン・マグサイサイ賞を受けた。

 カンボジア人による修復を掲げ、現代の建築材料を使わず、約900年前の建設当時の技術で作業する。雨季と乾季を繰り返す現地は、かびや雨水浸入による土台の沈みなど傷みが激しい。現地の保存官養成と並行し全長200メートルの西参道の修復工事に着手し、2000~07年に第1工区(100メートル)を実施した。

 15年からの第2工区は20年の完成を目指し、総事業費は約7億円に上る。一部は日本のODA(政府開発援助)に採択されたが、現地は急速な経済成長で人件費が上昇。より広く活動を周知し、応援を求めようとCFを企画した。

 コースは3000円から100万円で、活動報告や石澤教授による講演会の招待などで返礼する。1月22日に募集を始め、1日現在で22人から46万円余りが寄せられた。「現地の人が当時の手法で手掛ける息の長いプロジェクト。十勝の人にもぜひ理解と協力をお願いしたい」と話す。

 CFはインターネットで「アンコールワット、レディーフォー」で検索するとよい。問い合わせは同センター(03・3238・4136)へ。(原山知寿子)

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