足寄のセンターV 全国学校給食甲子園
【東京】全国の学校給食調理関係者が地場産品使用の献立や栄養価などを競う「第11回全国学校給食甲子園」(NPO法人21世紀構想研究会主催)の決勝大会が3、4の両日、都内の女子栄養大学で開かれ、北海道・東北ブロック代表の足寄町学校給食センターが初優勝した。町特産のラワンブキやチーズなど、足寄・十勝産素材づくしのメニューや調理技術が評価され、北海道勢として初めて、出場2004校の頂点に立った。
食育の重要な役割を担う学校給食の技術向上を目的に毎年開催。栄養教諭と調理員の2人1チームで、実際に学校給食で提供した地場産品を使い、学校給食としての栄養量を満たした献立を出品する。決勝大会には1~3次選考を突破した全国6ブロックの代表12校・施設が出場した。
足寄町センターは、栄養教諭の吉田美優さん(24)、調理員の廣田裕美さん(39)のペア。「螺湾(らわん)ぶきの繊維たっぷり飯」、道産タラとコーン、十勝マッシュなど「十勝の集大成」のホイル焼き、温泉熱で栽培する町産イチゴをカボチャ、ナガイモと3色団子に仕上げるなど、足寄・十勝産にこだわり、十勝から初の決勝に進んだ。
決勝大会では、60分間で6人分を調理し、栄養士や有識者などの審査委員16人から衛生管理や食味などの審査を受けた。審査は採点方式で「地場産品に恵まれた地域は厳しい採点」(審査委員)となったが、旬ではないラワンブキも水煮ながら、素材を生かした調理が高評価を得た。
決勝大会出場を受けて、練習を19回重ね、「本番も緊張せずに楽しくできた」(廣田さん)と、報道陣もいる独特の雰囲気の中、普段通りに調理を進めた。会場で見守った吉田さんの栄養教諭同期の坂本郷媛(りえ)さん(帯広大空中)、向井絵理さん(池田小)も「経験が少ない中、落ち着いていた」と喜んだ。
優勝旗を手にすると、2人とも涙を流して喜んだ。出場に当たって生産者を再訪問し、献立構成や調理法を一から見直しただけに、ステージ上で互いや生産者への感謝を口にした。廣田さんは「彩りも含めた全体構成が評価された」と振り返り、吉田さんは「経験を足寄の子供たちに還元したい」と話していた。
(原山知寿子)
◆第11回全国学校給食甲子園について
・イベント概要や決勝大会の詳細レポートなど-全国学校給食甲子園公式ホームページ