大樹で断水が完全復旧 台風10号災害から1週間ぶり
【大樹】台風10号の大雨災害があった8月31日から町内全域で発生し、段階的に解消されてきた断水は、7日正午ごろに全面的に解消された。
町では2系統で水を供給しているが、今回台風でヌビナイ橋に取り付けられた送水管が河川の増水で破損、もう1系統は原水の濁度が強く浄水できなくなった。町内全域で最大2700世帯が断水し、町が送水管の仮復旧や管内の汚れの除去、圧力の調整を行うなどして徐々に復旧範囲を広げていた。
この間、自衛隊や姉妹・友好都市などの協力も受け、公共施設での給水を実施した他、晩成温泉や公衆浴場も無料開放した。
町内で最も遅れて復旧した芽武地区の酪農家前田昌文さん(56)は「断水中は人間よりも牛の水を優先した」とし、自身で牛の飲み水を毎日20トン汲んできた。JA大樹などが手配した水も使い搾乳機を洗浄し、牛乳を廃棄する事態は避けられたものの、「水が出たときはほっとした。水のありがたさが分かった」と話した。
町は役場などで行っていた給水、晩成温泉と公衆浴場の無料開放を7日で終了した。また、断水の解消を受け、町災害対策本部(本部長・酒森正人町長)も同日午後5時に廃止した。
町は「今後の防災会議などで安定、安全に水を届けるための検討を進めなくてはならない」としている。(伊藤亮太)