台風で橋脚沈下など 復旧に長期間 士幌
【士幌】台風10号による豪雨の影響で、町士幌西2線の音更川に架かる西上橋(町道士幌上音更線)の橋脚が沈下し、8月31日以降、通行止めになっている。同橋は士幌地区と西上音更地区を結ぶ主要道路で、橋を利用する地元住民に影響が出ている。町は復旧に向けて調査を急ぐが、復旧には長期間かかる見通し。
被害が確認されたのは同日午前5時半ごろ。増水のため周辺をパトロールしていた業者が、橋が沈下しているのを発見。まもなく町が通行止めの措置を取った。
町建設課によると、被害があったのは西上橋の全長約200メートルのうち西上音更側の80メートルで、道路が約3メートル沈み上流側にねじれている。同橋は1984年に架設。5年前に実施した遠望目視点検では異常や損傷は確認されなかったことから、増水した川を流れる流木などの障害物が影響して水の流れが変わり、橋を支える橋脚の下の地盤がえぐられ、橋脚が沈下したとみられる。沈下した橋脚付近では、渦を巻くような流れが確認されている。
同橋は両地区から通行する利用者が多く、西上音更地区には小学校や酪農家や畜産農家も点在、生乳運搬の車も多く通る。現在、約1キロ上流に架かる40号橋か、約4キロ下流の士幌新橋を通らなくてはならない。
町は9日開会の町議会定例会に、被害の調査設計費1840万円を提案する。復旧工事は数億円かかり、着工は最短でも渇水時期の来年秋以降。同課は「開通するまでには2年はかかるだろう」としている。(川野遼介)