「ベジ寿司」広めよう すし職人と生産者がイベント
「ベジ寿司」を広めようと、十勝の生産者と寿し職人らがタッグを組んだユニークなランチイベントが28日、帯広市内のカフェ「みどりnoこびん」(西8男29カメラのキタムラ2階mo9stage内)で開かれる。主催者の一人で、すし職人の桑添達也さん(44)=新得=は「十勝の安心でおいしい素材の味を最大限活かす。野菜嫌いの人ほど食べてほしい」と張り切っている。
主催するのは、すし出張・実演の「極楽寿司」経営の達也さんと野の子さん(32)夫妻と同カフェオーナーの伊藤みどりさん(51)=帯広=、農家の後継ぎの夫と農業の道に入った小笠原美奈子さん(45)=小笠原農園、幕別=、自衛官の夫と昨年に新規就農した廣田由美さん(41)=廣田農園、芽室=。
ベジ寿司は文字通り、「ネタ」が野菜の寿司。20年以上前、達也さんが都内の寿司店で修行していたころに常連客に頼まれて、野菜嫌いの子どものため作ったのが最初で、「野菜の種類や大きさなどを見て生のままだったり、煮たり、揚げたり、調理法を決め、ネタにする」という。
達也さんは東日本大震災の被災者でもあり、野の子さんとの結婚を契機に新得に移住し、寿し職人に戻った。出張寿司を食べた小笠原さんと廣田さんがベジ寿司の存在を知り、「自分たちの自慢の野菜を変身させてほしい」と依頼し、今回の初企画となった。
当日のネタは両農園の有機、農薬不使用の野菜が中心で、ピーマンやオクラ、ナス、カラーニンジン、トマト、生シイタケなど。午前11時半、午後0時半、同1時半からの3部制で、各部とも限定15人の予約制。お任せ1人前1500円(ドリンク付き)。
「妻の実家は有機農家(宇井農場)だが、その野菜で試しに作ったら、そのおいしさに自分が驚いた。ベジ寿司はまだそれほど知られていない。十勝は素材がいいので作りがいがある」と達也さん。小笠原さん、廣田さんも「野菜の新しい食べ方にわくわくしている。好評なら継続したい」と話している。問い合わせ申し込みは伊藤さん(090・9435・2136)へ。(佐藤いづみ)