酪農女性「夢みるく」がチーズ販売開始 豊頃
【豊頃】町内の酪農家の女性5人によるチーズ工房「夢みるく」(門茂子代表)は19日、製造したチーズを町の多目的交流施設「はるにれ友遊館」内の喫茶店「ふわり」で初めて販売した。用意した約10キロ分は2時間ほどで完売し、町民の反応は上々。門代表は「今後も定期的に販売していきたい」と意欲をみせている。
同工房は、20年ほど前から自家製チーズ作りの活動を続けてきた「夢みるくの会」の約20人の中から、本格的な販売を目指すことに賛同した5人で今年春に発足した。メンバーは門代表と桜井美江子さん、石田幸美さん、田頭綾子さん、按田成子さん。
販売用チーズ作りは、自らの農場の牛乳を使い、同館のチーズ製造施設を拠点に6月から取り組んできた。他の工房の見学などで研究を重ね、保健所の許可を得て、8月には道の6次産業化スタートアップ事業に採択された。「これまでは冬の農閑期に作っていたので、夏場の温度管理などに気を使ったが、自信の持てる味に仕上がった」と門代表。
初めて販売したチーズはゴーダ6キロ(100グラム480円)とさけるタイプのストリング4キロ(同400円)で、それぞれプレーンと黒コショウ入りを用意。今月3日の町文化祭で試食品を提供するなどのPRをしてきたこともあり、午前10時に販売を開始すると、午前中には完売した。購入した人からは「軟らかくて食べやすい」などと好評を博していた。
同館では製造能力に限界があり大量生産はできないが、門代表は「今後も作りためて販売したい。次はクリスマス前に提供できれば」という。さらに「地元のおいしい搾りたての牛乳を使って、安全・安心なチーズを届けたい。味のバリエーションを増やし、豊頃にしかないものを考えたい」と話している。(末次一郎)