トンネル換気で牛の暑さ対策 上士幌・菅原牧場
牛舎を増築し、新たにトンネル換気システムを導入した菅原さん
【上士幌】国道２７３号沿いの菅原牧場（町東３線３０８）を経営する菅原研（みがく）さん（５８）が２０日、牛舎を増築した。町内の個人牧場で、フリーストール牛舎としては数少ないトンネル換気システムを新たに導入した。
同牧場は菅原さん夫妻をはじめ、長男の望さん（３０）夫妻、次男の崇さん（２８）夫妻、三男の彬さん（２５）夫妻の家族８人で運営。２年前に３２頭からの搾乳を可能とするロータリーパーラーを導入した他、屋内の搾乳施設を２階部分から見学できる鉄筋コンクリート造りの牛舎を新設した。今回は「離農する農家が増えつつある中で、３家族がやりくりするためにも頭数増は不可欠」（菅原さん）との理由で、牛舎の増築に５０００万円を投資。収容可能頭数は１９８頭から３３０頭に増やした。
また、暑熱対策としてトンネル換気システムを導入し、奥の壁面などに換気扇計２０台を設置。夏場に乳牛の体感温度や発熱量など状態を見ながら稼働させる形で、「これまでは牛の体に直接風を当てていた。今後は体調を崩す牛も減るのではないか」（菅原さん）と期待する。
現在２００頭を飼養し、今年度の乳量は約２２００トンを見込む。徐々に頭数を増やしつつ２、３年後にも目標とする３０００トンを達成する見通しだ。飼料価格の高止まりや電気料金の値上げなど厳しい経営状態は続くが、菅原さんは「家族８人がそれぞれの持ち場で力を合わせて頑張っていきたい」としている。（小縣大輝）
