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残り2カ月 予約5割 JAL名古屋線

名古屋線を使ったツアーを販売する旅行会社(JTB帯広支店)

目標8割 販促さらに
 8月に運航する日本航空(JAL)の帯広-中部国際空港(名古屋)線の就航まで2カ月を迎えた。同路線の予約率は旅行会社が確保する席数を含め、5月29日時点で52%とほぼ半分になっている。旅行ツアーや宿泊施設への予約では目立った動きはないが、十勝への観光客を呼び込もうと、管内では行政など関係者が中京圏でのプロモーション活動を行うなど、活動を活発化させている。

 十勝と中京圏を結ぶ路線は、2010年10月末に撤退した名古屋(小牧)空港線以来約4年ぶり。8月の季節運航で毎週日、月、水、金曜日に各1往復する。運航ダイヤはJAL3303便(中部発帯広行き)が午前11時10分発(午後1時10分着)、JAL3304便(帯広発中部行き)が午後3時20分発(午後5時15分着)。機材は帯広-羽田線で使用している機材と同型のボーイング737-800(165席)を使う。

 約半数の予約率となっている同路線では、8月の前半と後半に比較的予約が集中しており、9割近い予約が入る便もある。運賃は事前割引運賃で2万円台前半~3万円台前半に設定されている。一方で、運賃が高めに設定されているお盆時期の予約率は低くなっている。日本航空帯広支店の紀野典彦支店長は搭乗率8割を目標に掲げており、「現時点では悲観するほどの数字ではないが、決して安心もできない。販促を一層進めていく必要がある」と気を引き締める。

現地でプロモ 武将隊が来勝
 中京圏から十勝への呼び込みを図ろうとJALは4月、同じく8月に名古屋への直行便が運航される釧路と帯広の観光関係者と合同で、名古屋市の金山駅構内で観光プロモーションを実施。両市の関係者や同社社員ら約30人が参加し、運航スケジュールや両地域の観光情報、特産品などを紹介した。

 5月31日は管内で名古屋線をPRする新聞折り込み広告を配布したほか、7月には同社役員が帯広・釧路両地域の関係機関を訪問し、営業活動を行う。紀野支店長は「6月末時点で7割の予約率を目指したい。そのためには、中京圏の魅力を十勝の人にどれだけ感じ取ってもらえるかが課題」と話す。

宿泊ツアー「今後の動き期待」
 一方、観光客を受け入れる市内ホテルの予約状況に目立った動きはない。帯広ホテル旅館組合の後藤健二組合長は「(8月5、6日に帯広の森野球場で開かれる)日本ハム戦や花火大会、スポーツ関連の各種大会などが重なり、8月は8割程度の予約率。ただ、名古屋線関係の予約はほとんどみられない」、十勝川温泉の各ホテルも「目立った動きはない」とし、今後の動き出しに期待する。

 直行便を利用した中京圏へのツアーを販売するJTB北海道帯広支店(三宅弘泰支店長)では、5種類程度のプランを取り扱う。価格は1泊2日で2万円台からあり、担当者は「申し込み自体は多くはないが、問い合わせはいただいている。これからに期待したい」とする。

 行政関係では、とかち観光誘致空港利用推進協議会(会長・米沢則寿帯広市長)が8月の就航まで利用促進活動を展開。中部圏からの観光客誘致を目的に、7月までに名古屋市などで十勝と日高東部の観光PRや中京圏の企業を訪問し、路線利用をPRする。

 この他、7月には織田信長など名古屋にゆかりのある武将に扮(ふん)した「名古屋おもてなし武将隊」を招き、ばんえい競馬や帯広まちなか歩行者天国(ホコテン)で中京圏の観光PRを予定している。

 帯広商工会議所(高橋勝坦会頭)が4月に帯商議員らを対象に実施した、名古屋線を使ったツアーの参加意向調査では、「参加協力する」とする回答が23%にとどまった。管内における需要の掘り起こしが不可欠となりそうだ。(土屋航)

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