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「とかち太郎」栽培開始 川西長いも、発展担う新品種

とかち太郎の導入で「輸出を増やしたい」と語る有塚組合長

 JA帯広かわにしなど管内9JAで生産する「十勝川西長いも」で、今年から新品種「とかち太郎」の栽培が始まった。開発に20年を要した新品種は以前より太い「とっくり型」で、生産量は2割増を見込む。2カ年で新品種に切り替える予定で、需要が高まる外国への輸出に対応、販売額は現状より約10億円アップの80億円超を目指す。(伊藤亮太)

収量が2割増 輸出対応 来年産で全面切り替え
 帯広川西地区のナガイモ栽培は1971年に1・5ヘクタールからスタート。「十勝川西ながいも」は現在、9JA管内の540ヘクタールに拡大、年間で約2万トンが生産されている。

 「とかち太郎」は従来品種と比べて長さは60センチほどと変わらないが、直径は約7センチと0・5~1センチ程度太い。これに伴い収量は2割増になる。とかち太郎に完全に置き換わる20年以降、9JAの生産量は2万4000トンとなる見通しだ。

 期待されるのは輸出の拡大だ。ナガイモは中国文化圏で健康食材として用いられ「十勝川西長いも」もアメリカ、台湾、シンガポールなどの中国系住民向けに年間3000トンほどを輸出している。輸出量の5~7割をアメリカが占める。

 JA帯広かわにしは「アメリカでは西海岸が主な販売先だったが、近年は東海岸でも需要が高まっており、新品種による収量増で対応したい」(青果部)と話している。

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廃棄少なく安く、供給責任果たす
有塚利宣組合長の話
 ゴボウのようなナガイモでは皮をむくと歩留まりが低く、従来のナガイモは40%が捨てられていた。「とかち太郎」では、この割合が縮まっていくだろう。試験栽培で20%収量が上がることが確認されている。捨てる部分が少ない上に安く提供でき、消費者には得になる。

 毎週40フィートコンテナで18トンを輸出しているが、週に2コンテナ分36トンを輸出するよう求められている。新品種になれば需要に応えることができ、供給責任を果たせる。輸出が増えれば価格も維持される。輸出倍増につなげたい。


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「とかち太郎」誕生の由来は-十勝毎日新聞電子版(2019/05/14)

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