99歳でも毎日の新聞欠かさず、帯広の柳瀬さん 日々の情報が生きがいに
新聞週間が15日、スタートした。帯広市内のサービス付き高齢者住宅(サ高住)に入居する柳瀬宗央さん(99)は、白寿を迎えた今も毎日、新聞を欠かさず読み込む。「情報を掌握するのは楽しいし、気持ちがいい」。知的好奇心を満たしてくれる大切な情報源として、きょうも紙面の隅々に目を通す。(高井翔太)
1926(大正15)年山形県生まれ。県立村山農学校(現県立村山産業高校)卒業後、清水営林署を皮切りに、十勝と釧路管内の営林署を38年間、渡り歩いた。その後、91年まで自動車保険料率算定会帯広調査事務所で勤務。2019年に現在のサ高住に入居した。
サ高住では朝刊紙と夕刊紙の2紙を購読する。朝と夕に配達され次第、自室でページをめくる。海外から地域の情報まで網羅され、テレビニュースにはない短歌や俳句のコーナーがあるのも新聞の魅力という。
20代から俳句や短歌に親しむ柳瀬さんは「自分の作品が載ることに越したことはないが、一通り全部読んでいる」と話す。他人の作品を読み、自身の次回の作品作りに生かしている。
おくやみ欄を読むと「早くに亡くなり気の毒」と心が痛むことも。耳は遠くなってきたが、日中は施設内を歩き健康に気を配る。新聞の文字の大きさには「眼鏡を掛けなくても読めてちょうどいい」と笑顔だ。
「今まで通り、正しい情報を出してもらえれば」。日々の情報は、生きがいにもつながっている。
新聞週間
十勝毎日新聞社などが加盟する日本新聞協会は10月15日から21日までの1週間を「新聞週間」と定めている。報道の使命と責任に対する自覚を新たにし、報道の役割について広く理解を求める機会としている。同協会は新聞の魅力を伝える活動のNIE(教育に新聞を)の普及にも取り組んでいる。横浜市でニュースパーク(日本新聞博物館)を運営している。
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