海のナゾ哺乳類の正体確認! 足寄動物化石博物館と岡山理科大の研究チーム
【足寄】岡山理科大学と足寄動物化石博物館の研究チームは1日、絶滅した海生哺乳類「ネオパラドキシア」の化石を日本で初めて確認したと発表した。釧路市阿寒町で1996年から2000年に発見された化石を再調査して分かり、同日付で海外の電子版学術誌に掲載された。
研究チームは、岡山理科大の浅井勇馬さんと林昭次准教授、足寄動物化石博物館の安藤達郎館長と澤村寛特任学芸員の4人。同博物館が管理していた「束柱目(そくちゅうもく)」といわれる海生哺乳類の頭蓋骨の標本3点を調べたところ、2点はパレオパラドキシア、1点はネオパラドキシアに分類されることが分かった。
ネオパラドキシアは1590万~1490万年前に生息したとされ、これまで北米のみで見つかっていた。確認は今回で4例目。全長は約3メートルでパレオパラドキシアより1メートルほど大きく、サイやゾウに近いなど諸説ある。異なる2種が同じ産地から発見されるのは世界初だという。
澤村特任学芸員は「当博物館が世界初の科学的証拠の起点になったのでうれしい」と話している。(佐藤匡聡)